原作「スゴロク町の交通安全」絵本プロジェクト
2019.07.02 update.
「スゴロク町の交通安全」
〜運転者の心得・思いやり編〜
あなた得意が、誰かの安心へつながる、スゴロク町。
町には、たくさんの人の生活がある。そして、たくさんの得意がある。
様々な世代、様々な得意、様々な経験など、人の数だけ様々な色合いがある。
誰かの歩いてきた経験は、まだ、歩いていない人の安心に。
誰かのできることが、誰かのよかったに。ありがとうが循環する町。
「お金」の代わりに「ありがとう」で決済。
「ありがとう」が、心の記憶に蓄えられる数が価値。
「ありがとう」の数があなたの生活を楽しく豊かにする。
この町の住人は、相手のことを先に考える「思いやり」を育むことが
自分の豊かさになることを理解している。豊かさは自分の中にある。
そして…
自分のことを先に考えることは、町の人たちの記憶に残らず存在しなくなることも。
そんな、スゴロク町で生きる子供達の最初の試練が「基地局のスゴロク」。
この試練を通らなければ、責任ある「コト」も「モノ」も手に入らない。
誰かのために存在することができないということ。
「基地局のスゴロク」は、こども達が、サイコロ三輪Jr.に乗るときに出会う場所。
□〜サイコロ三輪Jr.に乗る〜
スゴロク町には、交通事故がない。3つの交通手段がある。
1つは、スゴロク町全体の帽子のように張り巡らせた「空中道路」
2つは、電柱に張り巡らせた電線に吊られた「空中ゴンドラ」
3つは、人が歩くところで、運転の練習する「地面道路」
「空中道路」は、スゴロク町全体へ、運転を楽しいサイコロ三輪で、速く遠くまで移動できる。
「空中ゴンドラ」は、電線を移動し家の近くを流れるので、人やモノを運ぶのに便利。
「地面道路」は、こども達が、乗り物に乗るために、思いやりゆずり合いを学ぶ場所。
サイコロ三輪Jr.を練習することは、こども達にはたまらないほどオモシロイこと。
□お金で買うのでなく、信用で買う。
サイコロ三輪Jr.の練習には、サイコロ三輪Jr.が必要。
お店に行き、そこで、サイコロカセットへサイコロを入れると…
スゴロク町の人々全員が持つサイコロと、君の名前と欲しいものが伝わる。
そして、これまでの、君がしてきたありがとうの記憶の量が成立・不成立を決める。
信用がないと責任あるモノは手に入らない仕組み
□安全教育の基地局(スゴロク町の人づくりの基盤)
地面道路には、たくさんのサイコロ三輪Jr.を乗っているこどもがたくさんいる。
そこには、歩いている人もたくさんいる。小さなこどもや、おじいちゃんやおばあちゃんもいろんな人が使っている道路。でも、交通事故が0。まったくない。
サイコロ三輪Jr.に乗るのが、たまらなくオモシロイはずなのに、誰にもぶつからない…
サイコロ三輪Jr.に乗るには、安全教育の基地局にあるスゴロクでゴールすること。
この基地局は、地域の安全に興味のある方が希望し選ばれた人が運営管理している。
□スゴロクで学ぶこと
思いやりの大切さ話(おとなの目とこどもの目)
思いやりの意味は、みんな知っている。わからない人はひとりもいない。
ただ…
実際に、知っているけど、できない人がいるから、選択と選別は行われる。
それが、スゴロクでゴールするってこと。
ゴールできないのは、自分のことを先に考えて、相手のことを後にする考えを持っているとき。
他の人からの感謝の量が減ってくると、枯れてきて見えなくなり、最後は消えてしまう。
12歳までが子供。この頃が、子供達にとって基地局を通過する大きな試練の時期。
□スゴロクの話
丸められた古い紙が広げられた。そこにサイコロを転がしてみた。
ちっちゃい爺さんが現れた。そして…
□□■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わしは、スゴロクの門番じゃあ。
といいながら、ちっちゃい爺さんは話し始めました。
「この話がわかるものは… この町に100%いるわけじゃないのじゃ」
「残念ながら… この話さえ気づかない者もおる」
「用意は、いいかい? では、いくぞ…」
「それは、『こどもの目』と『おとなの目』の話じゃ」
「こどもの目とは、自分のことを1番に考える目じゃ」
「おとなの目とは、相手のことを1番に考える目じゃ」
「こどもとおとなの違いは… 真ぎゃくなのじゃ」
「だから、こどもとおとなは100%話があわない…」
「わかるかの?」
「おとながこどもに、ちゃんとしなさい!と言えば…」
「こどもは、ちゃんとしていると思っているものじゃ」
「それは、自分がちゃんしているかは自分がよく知っているからな」
「でも、それは普通なのじゃ、間違いではない」
「こどもの証拠なのじゃ」
「じゃあ、気持ちの用意ができたら始めなさい」
「君のサイコロが、君の選択を導いてくれるだろう」
【スゴロクを開始】
古い紙の上へ、サイコロを振ってみた…
「3」
古い紙には何も書かれていないが、サイコロの目が出ると言葉が浮かび上がってくる。
その内容は、これまで君がやってきたことが再現される。
友達と喧嘩したこと…
嘘をついたときのこと…
楽しかったこと…
掃除のときの話が出てきた…
そのとき、サイコロからアドバイスが来た
「この再現を見たときに、自分が感じた気持ちが、そのまま、君の選択になっていくよ。」
みんなの教室を、みんなで手分けして、掃除をした。
みんな、一生懸命に掃除して。
みんな、時間まで一生懸命して。
みんな、最後まで掃除したけど…
先生に、ここ、汚いよと言われた。
「僕、ちゃんとしたもん!」
「僕、時間までやったもん!」
「僕、遊んでないもん!」
「なんで、僕だけに言うの!」
そして、サイコロを振ると文字が出たので振ると…
自分のことが1番の子供の目。
相手のことを1番に考えて、もう一度、サイコロを振ると出た。
すると、しばらくして…
みんなで掃除したのに、僕の掃除したところだけが汚い。
みんなの中で、僕の掃除が、良い掃除なのか悪い掃除なのか。
みんなの中で、考えられるのが、おとなの目。
次は、
幼稚園のときに先生に怒られたときのことが再現された。
触ってはいけないと言われていたけど…
「だって!〇〇くんも触っていたよ」
「なんで、ぼくだけ怒られるの!」
サイコロを振ると…
自分のことが1番の子供の目。
相手のことを1番に考えて、もう一度、サイコロを振ると出た。
サイコロを振り、次の文字があらわれた…
〇〇くんが触っていたから、大丈夫?
〇〇くんが触っていたから、先生のダメはイイになる?
自分の中では、イイかもしれないけど、幼稚園の中ではダメだね。
いよいよ、最後の質問みたいだ。
古い紙にあらわれた文字は…
最後に、相手のことを1番に考える、おとなの目の話。
用意はいいかい?これが理解できないとゴールはできない。
サイコロを振った…
人はたくさんいる。たくさん、たくさんね。
100人の人が集まれば、100人の人は、自分は正しいと思っている。
誰が良いとか、誰が悪いとかは関係なく、みんな正しい。
それは、みんな自分が正しいと思っているから。
誰も悪くない。誰も間違っていない。
でも、今いるたくさんの人の中で、良いか、悪いかと考えることだ。
今いるたくさんの人の気持ちの中に入って、考えることだ。
これが、できる人だけが、おとなの目を持つ、おとなということだ。
ちょっと、僕は考えた…
しばらくして、スゴロクに文字があらわれた…
君は、正直だね。じゃあ、誰が決めるのが正しいのだろう?
そして、次の文字があらわれた…
他の人とのかかわり合いが、思いやりがあるかどうかが、大事な話なら。
他の人とのかかわり合いに思いやりがあるかどうか決めるのは、他の人が決めること。
自分が決めるのではなく、相手が決めるものという考えが相手に伝わると、
相手の持つ、ありがとうの気持ちを大きく育てることになる。
そして、僕はゴールしていた。
さっき入った基地局だけど、見た目は何も変わらないはずだけど…
僕の町が違うように見える。不思議な感じがしていた。
すると、僕のサイコロが話しかけてきた。
「おとなの目を知ることができた、おめでとう」
「君が、これから大きく成長するために必要な話をするね」
「君を決めていく3つの脳の話だよ」
「誰も知らない話ね」
「人はね、3つの脳で考えているの。」
「頭の脳と心の脳と本能の脳だよ。」
「頭の脳は、良いか悪いかかを考える脳」
「心の脳は、好きか嫌いかを考える脳」
「本能の脳は、生まれもった変わらない脳」
「例えば…」
「君が、サイフを拾った」
「頭の脳は、良い行動と悪い行動を考える」
「心の脳は、考えたことが好きか嫌いか考える」
「本脳の脳は、やりたいことはやりたいと考える」
「1番強く考えたことが、君の選択になる」
「好きな人ができた」
「みんなはダメっていうけど。私もダメって思うけど」
「でも、好きなの!」
「頭と心の脳ではわかっているけど、本脳の脳がやめない」
「君がどんなひとなのかは、全て、君の脳が決めている」
「君が1番強く考えた脳が、君を決めていく」
そう言って、手の中で静かになった。
そして、振り向けば周りにたくさんのこども達がいた。
サイコロ三輪Jr.の乗っている子もいる。
ひとりのお兄ちゃんが話しかけてきた。
「おめでとう、無事にゴールしたね」
「なんでわかるの?」って聞いた。
すると…
人は、頭で考えたことがすべて行動に出るからね。
君が見ているモノと君の歩き方や歩く場所をみると
相手に思いやりを持っている態度や振る舞いが伝わってくるよ。
僕にも、おとなの目があるからね、それくらいは見たらわかるよ。
「サイコロ三輪Jr.で、遊びにいこう!」
「そこにあるのが、君のサイコロ三輪Jr.だよ」
「えっ!本当に僕の?」
「君がこれまで生きてきて、町の人たちの心の中に蓄えられた君へのありがとうの数が…」
「…いっぱいあったからだよ。サイコロカセットで君のほしいものは成立したってことさ!」
僕は、みんなと地面道路へ走り出した。
おしまい。
「安全教育を通して、スゴロク町の住民に成長していく物語」